サラリーマン専門家にできること

山梨県韮崎市に本部があった創業100年以上の老舗スーパー「やまと」の倒産について、元やまと社長の小林久さんご自身が綴った書籍。
"地域土着"を掲げて、採算度外視で地域のために地元大企業や流通大手の巨大資本と戦い、残念ながら沈没した歴史が描かれている。

本書の中で心に刺さった一節。銀行に提出する経営改善計画書を作成を担当した若者コンサルタントに対する評価である。

"年下の彼らは、当事者に寄り添う人間力までは持ち合わせていない。彼らに言わせれば、「そんなスキルは必要ない」と言われるだろうが。"

小林さんとそのコンサルタントでどのようなやり取りがあったか本書では記されていないが、
彼らがやまとや小林さんに寄り添っていないと小林さんはお感じになったのだろう。

エクセルやパワーポイントを駆使して銀行に受け入れられる経営改善計画書を作成するのがコンサルタントの任務で、銀行借入金の返済猶予を引き出すのが仕事である。
大企業相手ではそれで良いのかもしれないが、中小企業に対してはそれでよいのか。
社長に共感する、寄り添うのが必要であり、社長はそれを求めているのだろう。

一方で自戒の念も込めてであるが、経営をしていないサラリーマン専門家(しかも若造)がどれだけ経営者の気持ちが分かるかというと疑問を感じた。
微塵も分かっていないというのが実態だろう。どれだけ高度な知識をもっていても経営の実感を伴わないので机上の空論に終わってしまう気がする。
サラリーマン専門家として無力感を感じざるを得なかった。

無力な自分が無力なりに、社長の力になれることは何か?どれだけ社長の気持ちを自分事として捉えられるか?
自問自答を繰り返していくしかない。

[コンサルタント]